訪問販売

Aさんはある日、自宅に訪れた販売員から、「法律の改正で、消火器を変えないとマズイ」と言われ、消火器を勧められ、ついでに火災報知器までつけてくれると言われました。ところが金額は100万円。高額で支払えないと断ったところ、ローンを組めば月々3万円の36回払いですむと言われ、あまりにもしつこいのでサインをしてしまいました。しかし、後でよく考えてみたらやっぱり必要のないものでした。解約の申し入れをしましたが、担当者は今留守にしていてわからないと言われ埒があきません。

このケースの場合、クーリング・オフ期間内(8日)でしたので、書面で申し出ることにより、クーリング・オフすることができました。しかし、たとえクーリング・オフ期間が過ぎてしまっていても、販売店のクーリング・オフの回避と取れる言動や長時間にわたる勧誘、法律の改正によって必要であるという説明に嘘がある、といった販売方法の問題点を指摘し解約できるケースもあります。また、法定書面に不備があれば、8日を経過していてもクーリング・オフは可能です。

訪問販売における法定書面記載事項チェックリスト
当事者に関する事項
 ①事業者の氏名・名称(3条1号)
 ②事業者の住所(3条1号)
 ③電話番号(3条1号)
 ④代表者名(3条1号) ※事業者が法人の場合
 ⑤契約担当者の氏名(3条2号)
契約の目的物に関する事項
 ⑥商品の種類(特商4条1号) ※商品の特定が必要
 ⑦商品名(3条4号) ※固有名詞
 ⑧商品の商標または製造者名(3条4号) ※登録商標が通称名
 ⑨商品の形式(3条5号) ※形式がある場合
 ⑩商品の数量(3条6号) ※セット販売でも個数の記載が必要
契約代金に関する事項
 ⑪商品の代金(特商4条2号)
 ⑫代金の支払方法(特商4条3号) ※現金・クレジットの別、会社名・支払回数・支払総額
 ⑬代金の支払時期(特商4条3号) ※具体的な日を特定
契約の履行に関する事項
 ⑭商品の引渡時期(特商4条4号) ※具体的な日を特定
契約の解除に関する事項
 ⑮クーリング・オフの要件及び効果(特商4条5号) ※要件・行使方法・効果が明記されていること
契約の日付に関する事項
 ⑯申込または契約締結の年月日(3条3号)
任意的記載事項(その他の取引条件に関する事項)
 ⑰瑕疵担保責任の内容(3条7号) ※事業者の責任を免除する条項は不可
 ⑱解約に関する定めの内容(3条8号) ※解除できない条項は不可、民法より消費者に不利なものは不可
 ⑲特約(3条9号) ※法定に違反する特約は不可

※引用条文に特に断りがないものは、特定商取引法施行規則