by 東京司法書士会 世田谷支部
法定後見制度は、後見を受ける方の精神能力の違いによって、後見、保佐、補助という3つの類型から出来あがっています。後見と保佐は、従来からある類型ですが、平成11年の民法改正によって、新しく補助の類型が追加されました。
補助の制度は、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が不十分ですが、その程度が軽度である方たちを対象としています。
家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人などの当事者からの申立によって、補助開始の審判を行い、補助人を選任します(補助に付される方を、被補助人と呼びます)。
補助人は、当事者が選択した「特定の法律行為」(たとえば、預金の管理、重要な財産の処分、介護契約等)について、個別の審判により、代理権または同意権(取消権)を付与されます。
自己決定尊重の理念から、代理権または同意権(取消権)の付与には本人の申立または同意が必要とされます。
保佐の制度は、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が著しく不十分な方たちを対象としています。
家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人などの当事者からの申立によって、保佐開始の審判を行い、 保佐人を選任します(保佐に付される方を、被保佐人と呼びます)。
保佐人には、民法12条第1項に定められた重要な法律行為(借財、保証、相続の承認や放棄、遺産分割など)について法律上当然に同意権と取消権が与えられ、また、当事者が申立てにより選択した「特定の法律行為」について、個別の審判によって代理権を付与されます。
自己決定尊重の理念から、代理権の付与には本人の申立または同意が必要とされます。
後見の制度は、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力を欠く常況にある方たちを対象としています。
家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人などの当事者からの申立によって、後見開始の審判を行い、成年後見人を選任します(後見に付される方を、被後見人と呼びます)。
成年後見人には、広範な代理権と取消権が与えられますが、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」については、取消権の対象から除外して、本人の判断を尊重しています。
旧制度では、配偶者が当然に後見人になるとされていましたが、これが廃止され、家庭裁判所が、事案に応じて、適任者を柔軟に成年後見人等に選任できるようになりました。また、法人や複数の成年後見人等を選任することがきます。
成年後見人は、本人の意思を尊重するとともに、本人の心身の状態および生活の状況に配慮すべき義務(身上配慮義務)を責務として、後見事務をおこなうこととされています。
具体的には、本人に代わって、財産を管理したり必要な契約を結んだりすることによって本人を保護・支援します。保佐人、補助人は与えられた権限の範囲内で同様の保護・支援をします。
成年後見人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督をうけます。さらに監督制度として、従来からの成年後見人を監督する成年後見監督人に加えて、保佐監督人、補助監督人の制度が新設されました。法人をこれらの監督人に選任することができます。